PLATEA

PLATEA No.4より
激震地北海道 part1
労働者の使いすてを許すな!
弁護士  高崎 暢
1.
  11月27日北海道新聞は「過労死を職場から追放しよう」という見出しの社説を掲載した。「労働省はこの訴えに(全国各地での労災適用の集団申請をさす)積極的に応ずるとともに、労災の認定基準についてもあらためて見直しをすすめて欲しいものだ」と指摘し、一方で過労死の防止策のひとつとして、「労基署は、(労働基準法に触れる様な働かせ方をする企業の)監視を強めるべきである」と提言している。
2.

  昨年6月18日「過労死110番」を開設、10月8日には「過労死弁護団全国連絡会議」を結成、札幌でも「過労死問題研究会」の準備として2回にわたり勉強会をしてきた。又勤労感謝の日の前日、全国で労災認定を求めて集団申請をし、札幌でも6名が申請した。

 

●トラック運転手Sさん(34歳)

〈3月18日〉
朝8時、肥料を積んで釧路を出発し勇払到着が午後11時30分。走行距離478キロ。

〈3月19日〉
仮眠もそこそこに朝1時20分勇払を出発、函館へ。レールを積んで札幌到着が午後10時50分。走行距離636キロ。

〈3月20日〉
札幌を午前9時30分出発。メッキ材を積んで帯広へ。午後7時40分着。走行距離313キロ。
この3日間の走行距離は1427キロ。
これには荷物の積み降ろしの作業(全て1人でする)時間は含まれていない。
そして同じ様なダイヤが毎週続く。
「仕事がきつい」「会社の配送の仕方が悪く運行距離が長い」「体がだるい」と訴えていたSさんは、4月22日午前6時30分、前日持帰ったトレーラーで出勤途中、脳出血を起こし路肩のポールを約10m倒しながら道路側溝につっ込み、約4時間後息を引き取った。

3.

 このSさんが特殊ではない。長時間労働、過密労働を強いられている一例にすぎない。労働時間は西独より500時間、アメリカより240時間も長く、実質賃金はアメリカの1/2、西ドイツの2/3にすぎず、社会保障給付はフランスや西ドイツの半分以下というデータがある。一方で労働省は「労働基準法・労働者災害補償保険法(労災法)」を改悪をしようとしている。それは、使用者の無過失補償責任の原則をくずし、相互扶助の社会保障に変質させようとするもの。要するに、労働者の使い捨て、労働災害を被った人達の切り捨てである。炭鉱下請の連中が「人間らしく扱え」と大きな声を上げた。“働きバチ”の過労死に労災認定をさせることも同じ闘いである。そして、「人間らしく働き、家族と共に人間らしく暮らしたい」という働く仲間の当然の思いを、労働省に伝えなければならない。そして早急に。

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