PLATEA

PLATEA No.35より
増え続ける過労死・過労自殺
弁護士  高崎 暢

相談を受ける高崎弁護士(左)、川島医師(中)、若葉医師(右)

  20年前ドイツで、「なぜ、日本人は死ぬまで働くのか。」という女性からの問いかけを今でも忘れられない。人間の特権である労働によって生命を落す不条理さを突くことばである。

  不況のもとで、過労死・過労自殺が増えている。昨年度、労災申請件数が819件。前年度の約20%の増加である。一方、仕事上のストレスなどが原因の「精神障害」は、昨年度の請求は341件(昨年度265件)。うち自殺事例は43件(昨年度31件)で、いずれも過去最多。

  今年の過労死110番の相談件数は、全国で319件、北海道では18件あり、増加を実感した。

  一方で、過労死110番事例で、4月から6月にかけ、労災として認定を勝ち取る等の成果をあげる事例が続いた。

(1)UM氏(トレーラー運転手)42歳。道内を1日4〜500キロ運転し飼料を配達。喘息の持病ありながら労災認定。企業責任追及中。
(2)ST氏(損保の代理店経営者)48歳。運転中に脳出血。特別加入者の労災認定は全国的にも稀である。
(3)US氏(消防署職員)59歳。消火作業中に脳出血。再審査で公務災害逆転認定。
(4)YK氏(建築会社の所長)47歳。「仕事に疲れた。これ以上続けられない」という遺書を残して自殺。労災認定の後、会社と和解が成立。社長が弔問し謝罪する。

  健康で文化的に生きる権利(憲法25条)が保障される時代。個々の救済と過労死を出さない予防対策が一層強く、早く求められる。

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