PLATEA

PLATEA No.39より
NTT奥村過労死訴訟
全面勝訴
弁護士  高崎 暢

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頒価:500円(税込)

1
  2005年3月9日、札幌地裁で、元NTT職員の奥村喜勝さんの死亡原因が、長期の宿泊を伴う研修に参加したことによる精神的、身体的ストレスであったことを認め、東日本電信電話株式会社(以下、「NTT東日本」)に対し、約6630万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。
  奥村さんは、2002年6月、急性心筋虚血で亡くなった。58歳である。
  奥村さんは、職場健診で心臓の異常が発見され、1993年7月、陳旧性心筋梗塞(合併症として高脂血症)と診断された。それ以降、NTT東日本は、奥村さんを、会社が定める健康管理規定の「要注意(C)」と認定した。それは、「原則として、残業をさせない、宿泊出張はさせない」ということで、奥村さんの「ガラスの心臓」は、その規定により守られてきた。
  ところが、NTTは、リストラで思い通りにならなかった奥村さんに、札幌、東京における宿泊を伴う2か月間の研修を命じた。奥村さんの「ガラスの心臓」は、その研修で破壊されたのである。

2
  3月12日、北海道新聞は、「今判決が労働の『内容』や『質』に焦点を当てて判断したのは画期的といえるだろう。(略)NTTは、この判決を真摯に受け止めるべきだ。」との社説をのせた。社説は、他の企業経営者に対し、これを機に、個々の従業員の健康管理をきめ細かくするよう注文し、「今回の判決は、働く人に犠牲を強いるリストラに対して、厳しい警告になっていることも肝に銘じるべきだ。」とも述べている。

3
  私たちは、この勝訴を多くの人に知らしめるために、小冊子を出版した。リストラでたたかう仲間や、過労死の遺族を励ました。破廉恥にも、会社は、「控訴すべきではない」(前記社説)の声を無視して控訴した。
  第1回は6月30日、札幌高等裁判所で行われた。新たなたたかいがはじまった。

過労死110番
弁護士 日笠 倫子
 6月18日、全国一斉に「過労死・過労うつ110番」が開催され、全国で278件、北海道では12件の相談が持ち込まれました。労災補償相談と過労死予防・働きすぎ相談が各6件ずつあり、弁護士、医師計9名がこれらの相談に応えました。
 この「過労死110番」では、職場の人間関係や仕事上のミス、ノルマによりうつ病などの精神疾患を患うケースが目立ちました。この1年半くらい朝7時から夜10時まで働いており、月2、3回しか休みがない状態で、本人が、「このままでは死ぬかもしれない。」と言っているという公務員の妻からの相談や、うつ病で療養後、職場に復帰したが、社内で中傷メールが流されたなどの相談の電話が寄せられました。
 うつ病に代表される精神疾患が、職場に広がっていることを実感すると共に、職場や労働基準監督署の対応の早期改善が強く望まれる状況にあることが明らかとなりました。
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